サイト売買市場が活況を呈する中、プラットフォーム選びで見落とされがちなのが「手数料の実質コスト」だ。表面上の数字だけを比べると大きな差はないように見えても、取引金額や条件次第で数十万円単位の差が生じることもある。
本記事では、現役M&Aアドバイザーとして多くの売買案件に関わってきた立場から、主要7社の手数料体系を売り手・買い手別に整理し、具体的な取引金額でのシミュレーションを通じて「実質コスト」を徹底比較する。料金の安さだけでなく、何を基準にプラットフォームを選ぶべきかも解説するので、ぜひ最後まで読んでほしい。
なお、各プラットフォームの詳細な特徴・使い方についてはサイト売買プラットフォーム比較(主要各社の特徴まとめ)も合わせて参照されたい。手数料の全体像をより深く理解したい方はサイト売買の手数料比較・完全ガイド、費用全般の考え方はサイト売買の費用ガイドも有用だ。
サイト売買プラットフォームの手数料体系を理解する
手数料の種類(着手金・成約手数料・月額料金・最低報酬)
サイト売買プラットフォームにおける費用は、大きく4つに分類できる。
①着手金(初期費用)
取引開始前に支払う固定費用。掲載時点や交渉開始時に発生するケースが多い。着手金がかかるプラットフォームでは、成約しなくても費用が生じるため注意が必要だ。
②成約手数料(マッチング報酬)
売買が成立した際に、成約金額に対する一定の割合(または固定額)で支払う費用。プラットフォームの主要収益源であり、料率は2〜20%と幅広い。
③月額・会員料金
TRANBIのように月額プランを採用しているサービスでは、成約手数料の代わりに月額利用料を支払う。複数案件を同時に探す場合はコスト効率が良くなることがある。
④最低報酬額
成約手数料に「最低○○円」という下限が設けられているケースが多い。小規模な取引ほど実質的な手数料率が高くなるため、取引規模に合ったプラットフォームを選ぶことが重要だ。
売り手と買い手で手数料が異なる理由
多くのプラットフォームでは、売り手の手数料を無料または低く設定し、買い手から手数料を徴収する非対称な料金体系を採用している。この設計には合理的な理由がある。
売り手にとって「売りたいサイトがある」という状態は、プラットフォームにとって在庫(案件数)に直結する。案件数が少なければ買い手が集まらないため、売り手の参入障壁を下げることが市場全体の活性化につながる。一方、買い手は「良い案件があれば購入する」という立場であり、価値のある案件に対して相応の対価を支払う意欲がある。
ただし、この構造は買い手にとって割高感を生みやすいため、プラットフォーム選びでは買い手の手数料水準が特に重要な比較軸となる。
主要7社の手数料を一覧比較【2026年最新】
以下の表では、2026年時点の最新料金体系に基づき、主要7社の手数料を売り手・買い手別にまとめた。なお、消費税は特記のない限り税込表示とする。
| プラットフォーム | 売り手の手数料 | 買い手の手数料 | 最低報酬 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| ラッコM&A | 無料 | 成約額の5%(税込) | 55,000円(税込) | エスクロー・契約書自動生成あり |
| BATONZ | 無料(有料オプションあり) | 成約額の2%(税抜) | 35万円(税抜)/38.5万円(税込) ※1,000万円以上は70万円(税抜) |
2025年10月〜新料金体系Ver.008。M&Aアドバイザーによるサポートあり |
| TRANBI | 掲載無料(月額プランで成約手数料なし) | 月額プラン制(ベーシック4,378円/月) | 月額のみ(成約手数料なし) | 2023年に成約手数料を廃止し月額プランに完全移行 |
| サイトマ | 着手金33,000円+成約額の15〜20% | 着手金33,000円+成約額の15〜20% | 495,000円(税込) | 売り手・買い手双方から手数料。専任担当によるフルサポート |
| サイト売買Z | 成約額25万円以上:3%、25万円未満:20% | 成約額の3〜10% | 55,000円(税込) | 小規模取引では売り手の実質負担率が大きく上がる |
| サイトキャッチャー | 無料 | 売買代金の3% | 55,000円(税込) | 老舗。掲載件数は限られるが専門性が高い |
| SiteStock | 成約額の3% | 成約額の3% | 55,000円(税込) | 売り手・買い手ともに同率。シンプルな料金体系 |
📌 サイト売買プラットフォーム選びに迷ったら
業界最大手・手数料の安さで人気のラッコM&Aなら、初心者でも安心してサイト売買を始められます。
ラッコM&A 公式サイトを見る →※ 売却手数料無料・買主手数料5%(最低55,000円)
※料金は各社公式情報に基づく2026年3月時点の情報。最新情報は各社公式サイトで確認のこと。
ラッコM&Aの特徴は、売り手完全無料・買い手5%という明確さにある。最低報酬55,000円(税込)のため、100万円以上の案件では5%の定率が適用され、コストは成約額に比例して増えるが上限がない点は把握しておきたい。詳細はラッコM&Aの詳細レビューを参照。
BATONZは2025年10月にVer.008として料金改定を実施。成約手数料率は2%(税抜)と業界最低水準だが、最低報酬が35万円(税抜)と高めに設定されており、1,750万円未満の取引では最低報酬が適用される。1,000万円以上の取引では最低報酬が70万円(税抜)に切り替わる仕組みだ。詳細はBATONZ公式サイトでも確認できる。BATONZの詳細評価については別途レビュー記事(ID:550)も参照のこと。
TRANBIの月額プラン制は、成約金額にかかわらず毎月一定額を支払うため、高額案件を探す場合や複数案件を同時に検討する場合にコスト効率が良い。TRANBIの詳細についてはTRANBIの詳細レビュー(2026年版)を参考にしてほしい。公式サイトはTRANBI公式サイト。
取引金額別シミュレーション
手数料体系が異なると、同じ取引でも実際のコストに大きな差が生まれる。以下では50万円・200万円・500万円の3パターンで各社の実質コストを試算した。
50万円で売買した場合の各社実質コスト
| プラットフォーム | 売り手の費用(税込) | 買い手の費用(税込) | 合計(税込) |
|---|---|---|---|
| ラッコM&A | 0円 | 55,000円(最低報酬) | 55,000円 |
| BATONZ | 0円 | 385,000円(最低報酬) | 385,000円 |
| TRANBI | 月額費用のみ | 月額費用のみ(例:4,378円/月) | 月額のみ |
| サイトマ | 33,000円+495,000円(最低報酬) | 33,000円+495,000円(最低報酬) | 1,056,000円 |
| サイト売買Z(売り手25万未満は20%) | 55,000円(最低報酬) | 55,000円(最低報酬) | 110,000円 |
| サイトキャッチャー | 0円 | 55,000円(最低報酬) | 55,000円 |
| SiteStock | 55,000円(最低報酬) | 55,000円(最低報酬) | 110,000円 |
※TRANBI:月額プランのため成約手数料なし。50万円未満の小規模取引では、月額費用のみで完結する場合がある。サイトマ:最低報酬49.5万円が成約額を大きく上回る小規模取引では割高。
50万円規模の取引では、ラッコM&Aとサイトキャッチャーが最も低コスト(合計55,000円)。TRANBIは月額費用だけで済む点が強い。BAT ONZは最低報酬38.5万円(税込)が適用されるため、この価格帯では割高になる。サイトマは最低報酬が高額なため、小規模取引には不向きだ。
200万円で売買した場合の各社実質コスト
| プラットフォーム | 売り手の費用(税込) | 買い手の費用(税込) | 合計(税込) |
|---|---|---|---|
| ラッコM&A | 0円 | 110,000円(5%×200万円) | 110,000円 |
| BATONZ | 0円 | 385,000円(最低報酬:35万円税抜) | 385,000円 |
| TRANBI | 月額費用のみ | 月額費用のみ(例:4,378円/月) | 月額のみ |
| サイトマ | 33,000円+495,000円(最低報酬) | 33,000円+495,000円(最低報酬) | 1,056,000円 |
| サイト売買Z | 66,000円(3%×200万円) | 66,000円(3%×200万円) | 132,000円 |
| サイトキャッチャー | 0円 | 66,000円(3%×200万円) | 66,000円 |
| SiteStock | 66,000円(3%×200万円) | 66,000円(3%×200万円) | 132,000円 |
※サイト売買Zの買い手手数料は条件により3〜10%。ここでは最低ライン3%で試算。
200万円規模になると差が顕著だ。サイトキャッチャーが合計66,000円で最安、次いでラッコM&Aが110,000円。BAT ONZは依然として最低報酬38.5万円が適用され、200万円規模でも高コスト圏に留まる。TRANBIは月額費用のみで成約手数料ゼロなので、実質的なコストパフォーマンスは高い。
500万円で売買した場合の各社実質コスト
| プラットフォーム | 売り手の費用(税込) | 買い手の費用(税込) | 合計(税込) |
|---|---|---|---|
| ラッコM&A | 0円 | 275,000円(5%×500万円) | 275,000円 |
| BATONZ | 0円 | 385,000円(最低報酬:35万円税抜) | 385,000円 |
| TRANBI | 月額費用のみ | 月額費用のみ(例:4,378円/月) | 月額のみ |
| サイトマ | 33,000円+825,000円(15%×500万円) | 33,000円+825,000円(15%×500万円) | 1,716,000円 |
| サイト売買Z | 165,000円(3%×500万円) | 165,000円(3%×500万円) | 330,000円 |
| サイトキャッチャー | 0円 | 165,000円(3%×500万円) | 165,000円 |
| SiteStock | 165,000円(3%×500万円) | 165,000円(3%×500万円) | 330,000円 |
※BAT ONZの500万円取引では、2%×500万円=10万円だが最低報酬38.5万円(税込)が適用される点に注意。サイトマは成約額の15%で試算。
500万円規模では、サイトキャッチャーが165,000円で最安。TRANBIの月額プランは高額取引になるほどコストパフォーマンスが際立つ。ラッコM&Aは275,000円とサポート体制の充実度を考えると妥当な水準だ。BAT ONZは500万円でも最低報酬の壁があり、1,750万円超えないと2%の本来の恩恵が受けられない。サイトマは売り手・買い手双方から高率の手数料が発生し、合計171万円超と突出して高い。
シミュレーションからわかる重要な示唆:手数料率が低くても最低報酬額が高いサービス(BATONZ)は、中規模取引では割高になりやすい。逆に月額プラン制のTRANBIは、高額案件を扱うほど圧倒的なコスト優位性を持つ。
手数料以外で比較すべき3つのポイント
手数料は重要な比較軸だが、それだけでプラットフォームを選ぶのは危険だ。実際の取引では、以下の3点も必ず確認しておきたい。
サポート体制(エスクロー・契約書自動生成・弁護士相談)
サイト売買では、代金の支払いと譲渡手続きが同時に行われることが多く、詐欺や契約不履行リスクが常に存在する。この点で重要なのがエスクロー(代金保管)サービスの有無だ。
ラッコM&Aはエスクローを無料で提供しており、買い手が一旦プラットフォームに代金を預け、譲渡確認後に売り手に振り込まれる。この仕組みにより、トラブルのリスクを大幅に軽減できる。さらに契約書の自動生成機能も備えており、法律的な知識がない個人でも安心して取引できる体制が整っている。詳しくはラッコM&A公式サイトで確認できる。
BAT ONZはM&Aアドバイザーが交渉をサポートするが、その分コストが高くなる。サイトマはフルサポートが売りで、専任担当が一気通貫でサポートするが手数料は高い。TRANBIはある程度自力での交渉・手続きが求められる側面もあるため、初心者には注意が必要だ。
案件数と案件の質
どれほどコストが低くても、希望の案件がなければ意味がない。案件数と質の両面を確認する必要がある。
TRANBIは登録案件数が業界最多水準で、幅広いジャンル・規模の案件が常時掲載されている。ラッコM&Aはサイト売買に特化した案件が多く、ウェブメディアやECサイトを中心としたラインナップが充実している。BAT ONZは比較的高額帯の案件が多く、リアルビジネスの事業承継にも対応している。
サイトキャッチャーは案件数こそ少ないが、管理されている案件の信頼性が高い。SiteStockはBtoB系のサービス型サイトに強みを持つ。サイト売買Zは売却希望者向けの掲載数が増加傾向にある。
成約までのスピード
機会損失の観点から、成約までのスピードも重要だ。売り手にとっては早く現金化したい、買い手にとっては良い案件を早く押さえたいという動機がある。
ラッコM&Aはシステム上の処理が自動化されており、交渉から成約・譲渡まで最短数日で完結するケースもある。これはエスクローや契約書自動生成の仕組みが整っているからこそ可能なスピード感だ。
BAT ONZやサイトマはアドバイザーが仲介に入るため、プロセスに一定の時間がかかる。サイトマのフルサポート型は案件によっては数ヶ月を要することもある。TRANBIは直接交渉型のため、買い手・売り手双方のスピード感に依存する。
目的別おすすめプラットフォーム
コストを最小限に抑えたい → ラッコM&A
手数料を抑えつつ、安全で完結した取引環境を求めるならラッコM&Aが最有力候補だ。売り手は完全無料、買い手は成約額の5%(最低55,000円税込)と、充実したサポート体制(エスクロー・契約書自動生成)を考えれば、コストパフォーマンスは非常に高い。
ウェブメディア・ブログ・ECサイトなど、インターネット系の案件に強みがあり、特に100万〜500万円規模の取引で真価を発揮する。初心者でも使いやすいUIも評価が高い。
詳細レビューはラッコM&Aの詳細レビューを参照してほしい。まずは案件を眺めるだけでも、市場感をつかむ上で役立つはずだ。ラッコM&A公式サイトはこちら。
幅広い案件から選びたい → TRANBI
業界最多水準の案件数を誇り、月額プランで成約手数料なしというコスト構造が魅力のTRANBIは、多くの案件を見比べてじっくり選びたい買い手に最適だ。高額案件になるほど月額だけで済む分、絶対コストが低くなるため、500万円超の案件を検討している買い手には特に恩恵が大きい。
ただし自己交渉が基本となるため、交渉・デューデリジェンス・契約締結を自力で進める力が求められる。経験のある投資家や事業者向けのプラットフォームと言える。詳細はTRANBIの詳細レビュー(2026年版)も参考にしてほしい。
小規模事業承継で使いたい → BATONZ
BAT ONZはサイト売買に留まらず、実店舗・飲食・サービス業などの小規模事業承継にも対応した総合的なM&Aプラットフォームだ。買い手手数料率は2%と業界最低水準だが、最低報酬38.5万円(税込)の壁があるため、1,750万円以上の規模感の取引であれば最もコスト優位になる。
M&Aアドバイザーのサポートが標準付帯しており、初めてM&Aに臨む事業主や後継者問題を抱えた中小企業経営者に向いている。2025年10月の料金改定(Ver.008)で最低報酬額が引き上げられた点は、中小規模の取引では注意が必要だ。公式情報はBATONZ公式サイトで確認できる。
フルサポートで安心して取引したい → サイトマ
手数料の高さを気にしない代わりに、取引全体を専任担当に任せたい人にはサイトマが選択肢に入る。着手金33,000円(税込)に加え、成約額の15〜20%(最低495,000円税込)という高率の手数料は、見方を変えればプロへの報酬だ。
売り手・買い手双方から手数料を取るビジネスモデルのため中立性の懸念もあるが、専任担当者が案件発掘から契約締結・引き継ぎまで一気通貫でサポートする体制は、M&A経験がない方には心強い。コストよりも安心感を優先したい場合、または案件規模が大きく手数料の絶対額を許容できる場合に適している。
複数プラットフォーム併用がベスト
実務的な観点から言えば、複数のプラットフォームを並行して活用することが最も賢い戦略だ。
売り手の場合:ラッコM&Aは無料で掲載できるため、まず登録しない理由がない。TRANBIも掲載自体は無料なので、二重掲載で露出を最大化できる。SiteStockやサイトキャッチャーも無料(または低コスト)で登録できるため、案件によっては3〜4サービスへの同時掲載も現実的だ。
買い手の場合:ラッコM&Aで案件をウォッチしつつ、TRANBIの月額プランに加入してボリュームのある案件データベースにアクセスするという組み合わせが、コスト効率と案件数のバランスで優れている。
まとめ:手数料の「安さ」だけで選ばない
本記事では、主要7社の手数料を売り手・買い手別、取引金額別に詳細に比較した。改めてポイントを整理すると以下のようになる。
- 小規模取引(〜100万円):ラッコM&A・サイトキャッチャー・TRANBIが低コスト。BAT ONZ・サイトマは割高
- 中規模取引(100〜500万円):ラッコM&A・サイトキャッチャー・サイト売買Zが有利。TRANBIの月額プランも強い
- 大規模取引(500万〜1,750万円):TRANBIの月額プラン・サイトキャッチャーが最有利。BAT ONZの最低報酬の壁を超えるかどうかがポイント
- 超大規模取引(1,750万円超):BAT ONZの2%が本領発揮。サポートを重視するならサイトマも選択肢
ただし、繰り返すが手数料だけで選んではいけない。エスクローの有無、契約書対応、サポート体制、案件数、スピード感——これらのトータルで評価することが重要だ。
特に初めてサイト売買に臨む方には、エスクローと契約書自動生成が無料で使えるラッコM&Aをまず試してみることを勧める。案件を見ているだけでも市場感が養われるし、登録・掲載自体は無料なのでリスクは一切ない。
プラットフォーム選びに迷ったら、まずラッコM&Aで案件をウォッチし、物足りなさを感じたらTRANBIやBAT ONZを組み合わせるというアプローチが現実的だ。コスト・安全性・案件数の三拍子が揃った最初の一歩として、ラッコM&A公式サイトを覗いてみてほしい。
🏷 あなたのサイト、いくらで売れる?
累計成約6,000件超 | 売り手手数料 完全無料 | 最短即日で査定完了
ラッコM&Aなら、契約書自動生成・エスクロー決済で初めてでも安心。
※ 登録・査定は完全無料です。売り手は手数料0円で利用できます。
※ 本リンクはアフィリエイトリンクです。
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