「BATONZ(バトンズ)って実際どうなの?」「手数料は安いって聞くけど、本当に使えるプラットフォームなの?」
こうした疑問を持っているM&Aの売り手・買い手候補の方は多いのではないでしょうか。
結論からいえば、バトンズは日本最大級の成約実績を持つM&Aマッチングプラットフォームで、特に売り手にとってコストゼロで始められる点が最大の強みです。一方で、買い手の最低手数料が27.5万円と高めになる点など、注意すべきデメリットもあります。
この記事では、M&A実務に携わってきた筆者が、バトンズの手数料体系・メリット・デメリット・他社との比較を徹底的に整理します。「バトンズを使うべきか」の判断基準を提供することを目的としています。
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BATONZ(バトンズ)とは?基本情報まとめ
バトンズは、株式会社バトンズ(東京都中央区)が2018年4月に設立したM&A・事業承継支援プラットフォームです。設立母体は東証プライム上場の大手M&A仲介会社「日本M&Aセンター」であり、グループの一員として運営されています。
「誰でも、何処でも、簡単に、自由に、M&Aができる社会を実現する」というビジョンのもと、中小企業・個人事業主の事業承継・M&Aに特化したオンラインマッチングを展開してきました。
基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社バトンズ |
| 設立 | 2018年4月 |
| 代表取締役CEO | 神瀬悠一 |
| 所在地 | 東京都中央区築地3-12-5 |
| 資本金 | 1億円 |
| 累計掲載案件数 | 4.1万件以上 |
| 登録会員数 | 33万人以上 |
| 業界シェア | ユーザー数・案件数・成約件数 5年連続No.1(デロイト トーマツ ミック経済研究所調査) |
| 売り手手数料 | 無料(0円) |
| 買い手手数料 | 成約価額の2%(税別)、最低275,000円(税込) |
| 公式サイト | https://batonz.jp/ |
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※ 売却手数料無料・買主手数料5%(最低55,000円)
2024年12月のプレスリリースによれば、デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査でユーザー数・案件数・成約件数において5年連続No.1を達成しており、日本の中小M&Aプラットフォーム市場でのリーダー的地位は揺るぎないものになっています。
利用者の内訳
バトンズの登録ユーザーを見ると、個人53%・個人事業主13%・法人34%という構成になっており、半数以上が個人ユーザーです。また、成約案件の約40%が譲渡価額300万円未満の小規模案件であり、「小さなM&A」に強いプラットフォームといえます。
業種別では飲食・消費者サービス・不動産建設などのリアルビジネスが多く、WEBサイト・EC特化というよりも幅広い業種に対応している点がラッコM&AやTRANBIとの大きな違いです。
BATONZ(バトンズ)の手数料体系
バトンズの手数料体系はシンプルで、売り手は完全無料・買い手は成約時のみ手数料が発生します。登録費用・着手金・中間報酬はいずれも不要です。
売り手の費用:完全無料
売り手は案件登録から成約まで、バトンズへの手数料は一切かかりません。スキームによっては専門家(士業・アドバイザー)への別途費用が発生することがありますが、プラットフォーム利用料はゼロです。
買い手の費用:成約価額の2%(最低275,000円)
買い手の成約手数料は成約価額の2%(消費税別)です。ただし最低報酬額が設定されており、小額案件でも最低275,000円(税込)が発生します。
| 成約価額 | 手数料(税別2%) | 実際の請求額(税込) |
|---|---|---|
| 100万円 | 2万円 → 最低金額適用 | 275,000円 |
| 500万円 | 10万円 → 最低金額適用 | 275,000円 |
| 1,375万円 | 27.5万円(税込275,000円) | 275,000円(最低金額と同額) |
| 3,000万円 | 60万円 | 660,000円 |
| 1億円 | 200万円 | 2,200,000円 |
注意点:成約価額が約1,375万円未満の場合は、計算上の2%よりも最低金額(275,000円税込)の方が高くなります。全成約の約70%が1,000万円未満の小規模案件であることを踏まえると、多くの買い手にとって実質的な手数料率は2%を大幅に上回るケースがあることを理解しておく必要があります。
専門家サポートの追加費用(任意)
バトンズにはプラットフォーム手数料とは別に、専門家(M&Aアドバイザー)によるサポートを有料で利用できるオプションがあります。月額プランはLite(9,800円/月)・Standard(29,800円/月)・Enterprise(79,800円/月)の3段階。M&A成約時の専門家報酬は別途かかります。これらはあくまで任意のオプションであり、プラットフォーム利用自体には不要です。
BATONZ(バトンズ)のメリット
① 日本最大の案件数・会員数で「出会いやすい」
累計4.1万件以上の掲載案件と33万人以上の登録会員数は、国内M&Aプラットフォームの中でも群を抜いています。デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査で5年連続の業界No.1を獲得しており、その規模の優位性は本物です。
売り手にとっては「買い手と出会える可能性が最も高い」、買い手にとっては「案件の選択肢が最も多い」という双方向のメリットがあります。バトンズによれば、売り手1件あたり平均10件以上のオファーを受けられるとされています。
② 売り手は完全無料で利用できる
売り手にとって費用がゼロというのは、事業承継を検討する中小企業・個人事業主にとって大きなハードルの低下を意味します。銀行経由の仲介では数百万円の手数料が発生することも珍しくない中、売り手コスト0円でプロの支援を受けながらM&Aを進められる点は、バトンズの最大の差別化要素です。
③ 日本M&Aセンターグループの信頼性・専門家ネットワーク
バトンズは東証プライム上場・国内最大手M&A仲介の日本M&Aセンターのグループ会社です。バックに大手仲介会社がいることで、全国の金融機関・士業・公的機関(よろず支援拠点など)との広範なネットワークが活用されています。プラットフォームでありながら、必要に応じて専門家サポートを組み合わせられる点が他社との違いです。
④ 幅広い業種・規模に対応
WEBサイト・EC・デジタルコンテンツに特化したラッコM&Aとは異なり、バトンズは飲食店・製造業・小売業・医療介護など幅広いリアルビジネスの案件を多数扱っています。個人経営の小規模案件から数億円規模の中堅案件まで対応しており、オフラインビジネスの売却・買収に強みがあります。
⑤ 表明保証保険が自動付帯
バトンズでは成約案件に表明保証保険が自動付帯されます。通常は別途手配が必要なこの保険が含まれている点は、リスク管理の観点から見て大きなメリットです。特に買い手にとって、成約後の思わぬリスクを軽減する仕組みとして評価できます。
BATONZ(バトンズ)のデメリット・注意点
① 買い手の最低手数料が割高になるケースがある
前述の通り、成約価額が約1,375万円未満の場合は最低手数料の275,000円(税込)が適用されます。ラッコM&AはWEBサイト売買で100万円以下の案件も多いですが、バトンズでも小規模取引をする場合、比率として見ると相当な負担になります。
具体例:200万円の案件を購入する場合、計算上の2%は4万円ですが、最低金額の適用で275,000円を支払うことになります。実質的な手数料率は13.75%です。小規模取引を検討する買い手は、事前に費用対効果を試算することを強くおすすめします。
② 担当者の質にばらつきがある
Googleマップや各種口コミサイトのレビューを見ると、「担当者が素晴らしく丁寧なサポートを受けられた」という好評価の一方で、「返信が遅い」「契約後に音沙汰がなくなった」といった担当者対応への不満も散見されます。
33万人以上のユーザーを抱える大規模プラットフォームゆえに、担当者一人あたりの件数が多くなることも一因です。担当者に対して不満を感じた場合は、早めに変更を申し出ることが現実的な対処法です。
③ 秘密保持・情報管理への不安
オープンなマッチングプラットフォームである性質上、案件情報が広く公開されます。「秘密主義を重んじる企業」には不向きという声があり、特に従業員や取引先への情報漏洩リスクを最小化したい場合は、非公開型の仲介サービスとの併用を検討すべきです。
④ デジタルビジネス案件はラッコM&Aが有利
WEBサイト・ブログ・ECサイト・アプリなどのデジタルアセットを売買する場合、バトンズよりもラッコM&Aの方が案件の質・数ともに充実しています。リアルビジネス特化という強みは、裏を返せばデジタルビジネス案件の相対的な少なさを意味します。
BATONZ(バトンズ)と他社プラットフォームの比較
主要なM&Aプラットフォームとバトンズを比較すると、以下のようになります。
| 項目 | BATONZ(バトンズ) | ラッコM&A | TRANBI |
|---|---|---|---|
| 売り手手数料 | 無料 | 無料 | 成約価額の10% |
| 買い手手数料 | 成約価額の2%(最低275,000円) | 成約価額の5%(最低55,000円) | 無料 |
| 案件数・規模 | 累計4.1万件以上(最大) | WEBサイト・デジタル特化で高品質 | 国内最大級の案件掲載数 |
| 得意ジャンル | 飲食・小売・サービス業など幅広いリアルビジネス | WEBサイト・ブログ・EC・アプリ | 飲食・小売・リアルビジネス全般 |
| 業界シェア | 5年連続No.1(デロイト調査) | WEBサイト売買特化でトップクラス | 中小M&A国内最大級 |
| 専門家サポート | あり(任意有料) | あり(リーガルサポート等) | あり(任意) |
| 表明保証保険 | 自動付帯 | - | - |
| 最低取引規模 | 小規模〜中堅(数百万〜数億円) | 数十万〜数億円 | 小規模〜中堅 |
| こんな人向け | リアルビジネス売却・購入、国内最大の選択肢を求める人 | WEBサイト・ブログを売買する個人・法人 | 買い手コスト0円で多数の案件から選びたい人 |
バトンズ vs ラッコM&A:どちらを選ぶべきか
WEBサイト・デジタルビジネスの売買が目的ならラッコM&Aを優先するのが筆者の見解です。ラッコM&Aは案件の質が高く、エスクロー決済などのデジタル売買特有のニーズに対応した機能が充実しています。買い手の最低手数料も55,000円と低く、小額案件でも費用負担が軽い点が優位です。
一方、飲食店・製造業・小売業などのリアルビジネスを扱うなら、案件数の多さからバトンズが有力な選択肢になります。特に売り手であれば、完全無料で国内最大の買い手ネットワークにアクセスできるため、バトンズを第一選択肢にする合理性があります。
詳しい比較はラッコM&Aレビュー記事もあわせてご覧ください。
バトンズ vs TRANBI:どちらを選ぶべきか
TRANBIは買い手手数料が無料という大きな特徴があり、買い手コストを極限まで抑えたい場合に有利です。ただし売り手は成約価額の10%を負担するため、売り手視点ではバトンズ(0%)が圧倒的に有利です。
TRANBIの詳細はTRANBIレビュー記事をご参照ください。
BATONZ(バトンズ)はどんな人におすすめ?
こんな人にバトンズをおすすめする
- リアルビジネス(飲食・小売・製造・サービス業など)を売却したい売り手:完全無料で国内最大の買い手ネットワークにアクセスできる
- 事業承継を急いでいる経営者:平均3ヶ月という比較的短期間での成約実績がある
- 専門家のサポートを受けながらM&Aを進めたい人:日本M&Aセンターグループの専門家ネットワークが使える
- 1,375万円以上の案件を購入したい買い手:最低手数料の影響が小さく、2%という低い手数料率のメリットが出やすい
- 最初から複数のプラットフォームを並行利用する戦略を取る人:バトンズの圧倒的な案件数は、候補選定の出発点として活用しやすい
こんな人はバトンズよりも他の選択肢を検討したい
- WEBサイト・ブログ・EC・アプリを売買したい人:ラッコM&Aの方が案件の質・量・特化機能で優れている
- 500万円以下の小規模案件の買い手:最低手数料275,000円の負担が大きく、実質手数料率が高くなる
- 秘密保持を最優先にしたい企業:オープンなマッチングプラットフォームの性質上、情報の拡散リスクがある
- 数年かけて慎重にM&Aを進めたい人:スピード重視の仕組みは、長期的な検討には必ずしも適していない
まとめ
BATONZ(バトンズ)は、日本のM&Aプラットフォーム市場で5年連続シェアNo.1を獲得した国内最大級のサービスです。売り手完全無料・買い手2%という低コストの手数料体系と、33万人超の会員・4.1万件超の掲載案件は、他社が追いつけない規模の優位性を持っています。
ただし、買い手の最低手数料が27.5万円(税込)と設定されているため、小額案件の買い手には割高になるケースがあります。また、担当者の質のばらつきは実際の口コミでも指摘されており、対応が合わなければ早めの担当変更申し出が現実的です。
バトンズが最もおすすめなのは、リアルビジネスを売却したい売り手と、中規模以上の案件を探している買い手です。WEBサイト・デジタルアセット売買が目的であればラッコM&Aを、買い手コストをゼロにしたいならTRANBIを優先的に検討することをおすすめします。
自分のケースに最適なプラットフォームを選ぶためのより詳しい比較は、おすすめサイト売買プラットフォーム比較記事をご覧ください。また、各プラットフォームの手数料体系の詳細は仲介手数料ガイドも参考になります。
| チェック項目 | バトンズが向いている | 他社が向いている |
|---|---|---|
| 目的 | リアルビジネスのM&A | WEBサイト・デジタル案件(→ラッコM&A) |
| 立場 | 売り手(完全無料) | 小額案件の買い手(→ラッコM&A or TRANBI) |
| 成約規模 | 1,375万円以上 | 1,375万円未満(最低手数料の壁あり) |
| スピード感 | 3ヶ月以内に成約したい | 慎重に時間をかけたい |
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